日本人の食卓にはなくてはならないお箸。古代中国で誕生し、現在ではお米をよく食べる東南アジアで広く用いられています。
箸に使われている素材には木、竹、金属、プラスチックなどがありますが、ここでは箸ブランドのものを中心にしており、ブランドでは木が使われることが多く、木製箸を中心におしゃれな箸を紹介していきたいと思います。
人によりどの位の長さが使いやすいかはそれぞれだと思いますが、一般的におおよその目安として、成人男性では23cm~25cm。女性では21cm~23㎝、子供では16~18cmの長さが丁度よいサイズになると言われています。
また、太さでは当然指が太い人は太い箸、細い人は細めとなりますが、こういった要素は多少違和感があっても使っている内に馴染んでいくものと思いますので、軽い参考程度に選択の判断材料にするのが良いのではないかと思います。
箸は毎日のように頻繁に使われ、時には強い圧力も加わるので耐久性の高い木でないとすぐに壊れてしまいます。なので素材として多いのが、イイギリ科の広葉樹「マラス」や密度が高く重い樹木の呼称「鉄木」などが使われることが多いようです。
さらに黒檀や木曽谷から岐阜県の木曽川上流地域にわたる森林地帯で生産される天然の「木曽ひのき」などが人気ですが、やはりこういった高級な素材を使われた箸は手触りや雰囲気が違うので、こだわる方は素材にも注目するのが良いと思います。
箸の形には何角形により持ち味やデザインも変わってきます。4角形~8角形までさまざまですが、4角では転がりにくい安定感があり、8角のような多角形では指に正対する支えられる面が増えるので、より持ちやすくなる傾向があると思われます。
使いやすさを考えた時に、長さや太さだけではなく何角形なのかも注意するとよいかもしれません。八角デザインならより存在感を感じられると思われます。
その他にも箸を選ぶ際には仕様にも目を向けたい所。特に注目したいのが食洗機に対応しているか、といった点で箸は軽いので食洗機に入れることで、強い噴射により内部で弾かれ壊れてしまうといった可能性があります。しかし強い素材で作られたものならば食洗機に対応することができますので、食洗機で洗いたいかたは対応しているのかの確認は必要です。
また、抗菌仕様のものもあります。箸は直接口に入れますのでしっかりと洗わないと雑菌が繁殖しやすくなってしまっていますが、この抗菌仕様ならば雑菌の繁殖を抑えることができます。
ただ、箸は洗いにくいといったことがないアイテムでもあると思いますで、スポンジと家庭用食器用洗剤でしっかりと洗って清潔に使いたいですね。
以上になりますが、ここからはおしゃれな箸をブランドに分けて紹介していきたいと思います。
東京都墨田区にある箸専門点の大黒屋。江戸職人により、大正時代より100年もの間伝統を受け継いできた江戸木箸は、昭和60年に竹田勝彦氏が箸職人として創業した大黒屋で、この伝統を受け継いで江戸木箸を製造されています。
日本人に欠かすことができない道具なのに、形が限られていることに疑問を感じた武田氏は、それぞれが「握りやすくて、つまみやすい」、四方面、五角、六角、七角、八角、丸形、小判、変形と多様な種類の箸を開発してきました。
工房にて職人の手により作られており、青黒檀・紅木紫檀・真黒・スネークウッド等の高級素材が使われているのが特徴です。
縞黒檀を素材に使った8角の江戸木箸。黒檀の中でも茶色と黒色の縞模様が入り混じった縞黒檀で、独特な風合いがおしゃれな箸です。
江戸木箸の中でも八角箸は面が多いために持ちやすく、コロコロと転がらない特徴をもつ不動の一番人気。食べ物を口に運ぶ際に違和感ないように、箸先付近は細めに仕上げられていたりと、使いやすさもあるのではないでしょうか。少し値段も高めですが、職人による手作業による箸なので、大量に作られたものにはない手作りの良さを味わいたいです。
こちらはアフリカ黒檀を使った五画形の江戸木箸になります。5角形や7角形の奇数の角度を作るのは難しいようですが、これもすべて職人が削り作業を行い作っているとのこと。材質が硬く、木肌が緻密で高品質なアフリカ黒檀を使用しており、さらに職人による手による作業もはいった高級な箸となっています。
オイル磨き仕上げなので、スベスベとした手触りではないように持ちやすさもあると思われます。
大正9年に創業し、福井県小浜市にて伝統工芸品若狭塗箸を製造しているメーカー「イシダ」。若狭塗は江戸時代初期から小浜にて受け継がれている伝統工芸品、一層、二層、三層と何層も漆を重ねる若狭塗の伝統を受け継ついでおり、多様なニーズにこたえるために多くの種類の箸を開発しています。
展開する「一双」は若狭塗を箸に施したシリーズで、高級材で知られる黒檀の一種、縞目がひときわ美しい縞黒檀を使用されてるハイエンドなプロダクト。高級木材に描かれる美しい若狭塗の箸はひと際食卓も華やかになります。
一双はイシダのハイエンドブランドの箸になります。美しい輝きを放つ染色のコントラスを持つ田園は、オリジナリティにこだわった粋柄シリーズ。あわび貝、卵殻、金箔、松葉などで模様を作り、その上に漆を塗り重ねて研ぐ「研ぎ出し技法」により、美しい模様を作っています。
天然木をしようしているために、サイズはじゃっかんの違いがあるようで、先端は細く、滑り止めの加工がされていないため、このタイプに慣れていないと最初は少し使いにくいかもしれません。
イシダの特殊加工を施して持ちやすくした完全無欠万能箸。箸先の角を使ってガッチリと掴むことができ、△と□が描かれたかわいらしいデザインのお箸です。
使い方に特徴があり、プリントされている△と□をそれぞれ合わせて持つ仕組みで違いがうまれます。やさしくつまみたい時は□面同士を上にして合わせて持つ、ガッチリと掴みたい時は△といったように食材によって使いわけると掴みやすいようです。こちらはハイエンドなシリーズではないので、価格も安くなっています。
金物の町として知られる新潟県燕市に拠点を構える「ナガオ」。燕三条で製造されているキッチン・カトラリーなどの、質の良いステンレス製品の卸を行っていおり、その他にも、企画製造・販売、OEMなども行っているようです。
ステンレスの箸は木製に比べるとしなりなどがなく、使いにくい面もあるともいわれています。ただ、錆びにくく清潔に使えるために、メリットもそれなりにあるとは思うのですが、市場にはあまり出回ってはいないようです。そのため、燕三条で作られた質の良いこちらのステンレス箸は貴重だと思われます。
燕三条で作られたナガオのステンレス箸。燕三条のステンレス製品なので、質には信頼感がありますが、こちらは18-8ステンレスというクロム18%、ニッケル8%を含んだ鉄で作られ、普通のステンレスよりもより錆に強くなっています。長持ちさせたいなら木製のものよりもステンレスがよいかもしれません。
また、デザインでは表面を鏡のように鏡面反射をする加工を施してあり、美しく毎日の食卓に上質な違和をもたらしてくれるとのこと。持ち手部分を中空構造にする事で、一善36gと軽量化も図られています。
三重県桑名市にて1977年に創業した「籐芸」。海外インドネシアに自社工場を持ち、木製スプーンを製造販売。ヒットし、その後フォークなどのカトラリー、キッチンツールなどを中心に多くの木製品をリリースされています。
箸も製造されており、鬼に金棒などの面白くデザインの優れた箸を製造されていますが、箸専門ではないので素材にはこだわりがないのかもしれません。ただ、紫檀などの高級(ローズウッド)が使われているものもあるようです。
TOUGEIの大きいお箸「鬼に金棒」。無骨で男性向きなおしゃれさがあるデザインですが、長さは約245㎜、太さ規格外といった特徴の箸。8角形などの面を多くして持ちやすくするタイプではなく、凸凹にすることで持ちやすさを作っている面白いアイデアです。鬼に金棒というネーミングも素敵で、大きく頑丈なイメージ通りとアイテムとなっていると思います。
昭和23年創業の若狭塗箸の産地、福井県小浜市に本社をかまえる箸製造メーカーの「田中箸店」。小浜の伝統である若狭塗の技法による箸生産を行いながらも、自社で構える工場にて機械による大量生産もおこなっています。
機能箸、菜箸など多様な箸がラインナップされており、シリーズも充実。犬と猫シリーズなど、かわいいをテーマとしているような若い人に向けたものが多いのも特徴ですが、やはり若狭塗の伝統的な箸はより魅力的かもしれません。
若狭塗で描かれた桜模様が美しい田中箸店の高級国産若狭塗箸。見た目は高級感のある箸に見えますが、そういったことはなくコスパは良く、しかし、しっかりと若狭塗で仕上げられているので安っぽさはないようです。
デザインだけではなく、こちらは摘まんだ食材が落ちにくいすべり止め付加工が施されており、また、食洗機にも対応していますので、機能性も高い箸となっています。
良木工房(YOSHIKI)はTAKEMIが展開する「自然と繋がる心地よい暮らし」をテーマとしたメーカー共同ブランドです。故郷の美しい竹資源を活かしたビジネスがしたいと2017年にTAKEMIを創業。プラスチックの環境問題が大きくなる中、竹は成長も早く場所を選ばない特徴があり、世界がめざす持続可能な社会を実現するためには欠かせない素材となります。
TAKEMIとYOSHIKIではキッチン・インテリア雑貨など竹を使用したデザイン性の良いアイテムを自社工場にて製造しており、コスパに優れているのも特徴。木とは一味違う竹の箸を味わってみるのも良いのではないでしょうか。
天然素材のぬくもりと美しさのある良木工房の竹箸セットになります。箸の上のみに色が付けられただけの、竹そのものを活かしたシンプルさが特徴の5色のセット。先端が極細に仕上げられたデザインが特徴。ヘッドのカラーがおしゃれです。
天然竹を使用していますので、軽量さや食べ物が滑りにくい、抗菌性が高いといったメリットがありますが、洗浄には気を付ける必要があり、たわし又はみがき粉でみがくと傷がついてしまう繊細さもあるようです。
福井県の小浜には多くの塗箸の企業がありますが、カワイもその中の一つで1943年創業の老舗になります。「一膳一膳に込める手作りの想い」をコンセプトとし、テーブルウェアの企画・製造・販売とすべてを行い、小浜だけでなく東京にもオフィスを構えます。
多くのシリーズとなる箸を展開されており、手造りならではの質感・風合いを届ける「KURABI」。雰囲気のある色合いとヴインテージ感が特徴の「Haze」。繊細で鮮やかな伝統色を箸に映した美しい「にっぽん伝統色」など、さまざまな美しい若狭塗箸をリリースされています。
カワイの日本伝統色シリーズの山吹色箸になります。四季豊かな日本独特の風土に生まれた、ならではの伝統的なカラーを20色を厳選して塗箸にした伝統色シリーズ。どれもあざやかなカラーリングが目立ちますが、細身のほっそりとした形状が美しく、角をとった四角形の箸は独特なおしゃれさがある箸となっています。
素材は竹を使用して耐久性があり軽く、箸先は食べ物をつかみやすい先角仕様とカワイの箸だけに機能性もしっかりとしているようです。
お箸とカトラリーの専門店の「FlaColle」。製造などを行っているメーカーではないようですが、「一年一膳。お箸から始めるていねいな食卓」をテーマに、デザインの良いお箸をラインナップされている箸専門店です。
いろいろなタイプの箸を扱っていますが、特に「はしも」は見た目だけでなく、箸の持ち方を正しく矯正できるアイデアのあるアイテムとなっています。また、ツートン箸では持つ部分と先が違う角形となっていたりと、デザイン性だけではない機能性が高いアイテムをそろえる良いお店です。
大人用お箸の持ち方を矯正できるFlaColle「はしも」。お箸自体にくぼみが付いているので、はしもを持つと自然とくぼみに指が行き、感覚的に正しいお箸の持ち方を身に着けることができる優れた機能性を持つお箸です。
お年寄りの方などは箸の持ち方を見る方も多く、こういった方と食事をする場合には、しっかりと箸を持てているか気になる人も多いのではないかと思われます。はしもなら大人でも自然と矯正でき、さらに右利き左利き、長さも18cm~23cmまで種類も豊富なので、自分に合った箸で練習ができ、デザインもかわいらしいデザインですので、日常で使うことも問題はないと思われます。
樹脂製の日本製の高級ツートンお箸。二つのカラーで構成されており、おしゃれなのですが、カラーリングだけが特徴なわけではなく、持ち手部分と箸先の角形が違う仕様となった珍しいタイプです。
持ちては8角形で持ちやすく、箸先は4角形となり掴みやすいといった二つの良い特徴を持つお箸となっています。8角形部分は滑り止め加工が施されて滑りにくく、箸先はナイロン製で耐久性があり、しっかりと食材を掴みやすい特殊滑り止め加工がされており、かなり使いやすさを考えられたアイテムとなっています。
福井クラフトのくびれがおしゃれな形状の杵型多久島箸。あまり他にはないような形状が特徴的ですが、くびれ部分のくぼみはもちやすく、先端もすべらない仕様と、独創的なデザインながら使いやすさもしっかりとあるようです。
また、耐熱性(160度)の優れだ樹脂を使用しているため、食洗機・乾燥機を使用可能、さらにあやまって電子レンジにいれてしまっても曲がらないといったさまざまな機器にも対応しているの点が魅力的です。
素材に純チタンを使ったTITECOUGOの四角箸。チタンは健康と安全、耐久性にすぐれるといったメリットの素材なので、アウトドアで使うのに良い箸かもしれません。軽さ、耐腐食性、耐熱性,抗菌、防汚と挙げればきりがないほどですが、それでも木製と違い柔軟性にはなく、硬いと思われますので今までの箸との違いに最初は少し戸惑うかもしれませんね。
箸先には滑り止めのような凸凹のエンボス加工がほどこされていたり、独自の収納袋付きなのも良い点です。
海外のブランドとしては珍しく箸もリリースされているキッチンウェアブランドのルクルーゼ。こちらの箸は縁起のいい鯛と富士山の箸置きとのペアセット。箸置きがセットなのは上品で、日本風のおしゃれで粋なアイテムとなっています。
木目の印刷されたギフトボックスに入っているのもうれしい仕様です。箸自体は天然木を使用しており食洗機にも対応。60gと木製にしては軽量さがあるのも特徴です。
以上になります。いかがでしたでしょうか。毎日のように使うものですので、しっかりとしたブランドの使いやすい箸を長く使って、愛着のあるものにしていきたいですね。
参考にしていただけたらと思います。
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